その当時、私たちは生地試験及び第三者検品を行っていなかった為、不良率はなんと10%を超えていました。大量な不良商品のために、全国の店舗からは莫大な費用をかけて返品回収。更にわざわざ保管のための倉庫も借入れる事になり、不良のために莫大な経費をかけていました。何よりも品質の悪さからはお客様の信頼も落とし、日々対応に追われるという悪循環に陥っていました。 そんな中、どうにかこの環境を変えようと生地試験と第三者商品検品の相談したのが、メンケンさんとの出会いのきっかけです。メンケンさんからは、生地試験と並行にひとつひとつ全ての商品を見てくれ、商品ごとに分けた洗濯表示のこと細かいアドバイス行ってくれました。

薄地商品が流行った際、縫い目に力が加わると布がほつれて大きな穴が開くなどの、滑脱トラブルが多く発生しました。以前からメンケンさんへ通常依頼をしていましたが、「堅ろう度試験」をメインとして依頼していたため、経験の少ないスタッフが試験依頼をする際、滑脱トラブルが起きそうな製品の判断ができず「滑脱試験」の申し入れをしていなかった事が問題発生の要因でした。
しかし、すぐにスタッフの育成ができるわけでもなく、人員的要因によるミスを解決するための策が社内で見つけられませんでした。
そんな時、メンケンさんから「滑脱しそうな生地の試験依頼があった際は、こちらで判断し一声かけることが可能ですよ」といった提案をもらいました。プロによるWチェック体制を設けてくださるというのです。こんな良いことはないと思い、すぐにお願いすることにしました。

お客様への新しい提案として、レース生地にフロッキーをプリントした生地を新たに作りたいと考えていた時のことです。中国で生地を作っていたのですが、メンケン上海に検査依頼するも度々不合格でした。どうにか改善できないかと思い、電話で問い合わせたところ、「試験内容」「判断基準」「確認方法」を想像以上に詳しく教えてくれました。
試験内容は「堅ろう度と洗濯試験5回で生地が耐えられるか」というものでした。「堅ろう度は合格だが、洗濯試験が不合格になっていて、原因は明らかな色落ちや生地が破れるという事ではない。洗うとフロッキーが剥がれてしまうため、洗濯前と後の生地を目視で合否判定をしている」と、現状と改善ポイントを明確にお伝えしてもらったのです。