概要
ワッシャ法による寸法変化率は生地などを工業洗濯機(ワッシャ)で処理し、脱水、乾燥後に寸法変化の程度を百分率(%)で表したものです。
主にホテルや病院用のリネン製品、ワイシャツなど強い機械力で洗う、水洗い可能な繊維製品に適しています。
試験片
約500mm×500mmの試験片を2枚採取する。
- 編物の場合は2枚重ねて試験片とする。
試験片の中央にタテヨコそれぞれ400mm間隔の印をつける。
試験
試験方法 | 概略 |
F-1法 | 40℃の温水に処理布、負荷布及び粉末石けんを投入し15分間運転する。 石けん液を排水後、40℃の温水に変えてすすぎを2回行う。 |
F-2法 | 60℃の温水に処理布、負荷布及び粉末石けんを投入し30分間運転する。 石けん液を排水後、40℃の温水に変えてすすぎを2回行う。 |
F-3法 | 40℃の温水に処理布、負荷布を投入し45分間運転する。この時運転中に生蒸気を入れて速やかに100℃となるようにし、100℃となった時点で蒸気を止めて粉末石けんを加える。 石けん液を排水後、60℃の温水に変えてすすぎを2回行う。 |
上表の条件で試験片を処理する。処理後、遠心脱水した試験片を以下の表のいずれかの方法で乾燥する。
乾燥方法 | 操作 |
フラットベットプレス | 130℃~150℃のフラットベットプレスでプレスする。 |
タンブル乾燥 | 60℃または80℃を超えない温度でタンブル乾燥機に投入し、十分乾燥するまで運転する。 |
吊干し | タテ方向が垂直になるように数か所をつかみ、つるして乾燥する。 |
平干し | メッシュ状の水平台に広げて乾燥する。 |
結果
試験片1枚当たりタテ方向3か所、ヨコ方向3か所の印間の長さを測る。
処理前後の印間の長さの平均値から、タテ方向およびヨコ方向それぞれの寸法変化率を算出する。
寸法変化率(%)= \(\displaystyle\frac{ (処理後の長さ)-(処理前の長さ)}{ (処理前の長さ)}\)×100
※寸法変化率のプラス(+)は伸び、マイナス(-)は縮みを表す。
試験結果例
生地 | 試験結果例 |
織物 | タテ -1.1% ヨコ -2.8% |
編物 |