機能性 Test service 04

抗菌防臭性試験

  • 一般衣料品
  • 寝衣類
  • 肌着・下着
  • 水着
  • マフラーネクタイ類
  • 帽子
  • 靴下・手袋類
  • JIS L 1902 菌液吸収法

衣服などに付着した汗、皮脂、汚れは皮膚の常在菌によって分解され、いやな臭いが発生します。皮膚常在菌の中でも黄色ブドウ球菌の増殖を抑えることでいやな臭いの発生を抑えることができます。このように菌の増殖を抑える効果を抗菌効果といいます。

抗菌防臭性試験は、生地がアンモニアなどの臭気成分自体を減少させる消臭性試験とは異なる試験です。

目的・概要

抗菌加工布と綿布に黄色ブドウ球菌を同じ数付着させます。抗菌加工布と綿布上で菌を培養し、培養後の生きた菌数(生菌数)をそれぞれ測定します。抗菌効果は綿布と抗菌加工布の生菌数の差で評価します。

この試験は衣料品や繊維製品全般に適用することができます。

試験片

試験片の一部を規定の処理方法で規定回数の洗濯処理をする。

  • 使い捨てを想定した製品群は洗濯処理が不要です。

洗濯処理前後の試験片から0.4gの検体を6検体分それぞれ採取する。

対照試料として標準綿布で0.4gの検体を6検体分それぞれ採取する。

検体と対照試料をそれぞれ密閉できる瓶に入れて滅菌した後乾燥させる。

試験

①所定の菌濃度に調整した菌液を検体と対象試料に浸み込ませる。

②-1検体と対象試料それぞれ6検体のうち3検体は浸み込ませた直後に生理食塩水20mLで菌を洗い出す。

②-2シャーレに希釈液1mLを取り出し、さらに寒天培地を加えて約48時間培養する。

③-1残る3検体を37℃で18時間培養する。

③-2培養後、生理食塩水20mLで菌を洗い出す。

③-3シャーレに希釈液1mLを取り出し、さらに寒天培地を加えて約48時間培養する。

④培養後に②-2および③-3のコロニー数を数える。

②-2および③-3のコロニー数と希釈倍率から洗い出し液の生菌数を計算する。

結果

次式によって抗菌活性値を求める。

(抗菌活性値)=(対照試料の増殖値)-(試験試料の増殖値)

ここに、

(対照試料の増殖値): logCt - logC0

(試験試料の増殖値): logTt - logT0

logCt:18時間培養後の対照試料の生菌数の常用対数

logC0:接種直後の対照試料の生菌数の常用対数

logTt:18時間培養後の試験試料の生菌数の常用対数

logT0:接種直後の試験試料の生菌数の常用対数

※1 対象試料の増殖値が1.0未満の場合は試験不成立となり、再試験を行う。

※2 接種直後の生菌数によって、数式の一部が変更になる場合がある。

試験報告書では以下のような記述となる。

上図のような記載となった場合は以下のように計算する。

(抗菌活性値)=(7.14.3)-(4.54.3)=2.6



一般的な基準値は以下のとおりです。

規格基準値
JIS抗菌活性値 2.0以上
SEKマーク抗菌活性値 2.2以上