夏物を中心に“冷たい”や“ひんやり”と謳った商品が多く目につきます。シャツやパンツ、肌着から寝具やマットまで幅広い商品が販売されており、この“冷たい”や“ひんやり”といった特性を接触冷感または接触冷温感と呼びます。この接触冷感は、たまった体表面の熱が布に瞬間的に移動することで冷たく感じることができます。
ただし接触冷感は“触れたときの熱移動によって冷たさを感じる”ため、同じ場所に触れ続けていると冷たさを感じることができなくなってきます。
目的・概要
接触冷感性試験は熱源板に熱を貯え、温度差のある布に接触させることで起こる熱移動を測定します。熱移動のデータから得られる特性値により、皮膚と生地が触れた時に感じる接触冷感を評価します。反対に冷たく感じない感覚を評価することもできます。
主に接触冷感性を謳うシャツ、スポーツウェア、肌着、寝装品類の生地を試験します。
試験片
約150mm×150mmの試験片×5枚
試験
- 試験片の試験面を上にして、測定台の上に広げる。このとき、測定台および試験片は20℃とし、室温と同じ温度にしておく。
- 温度センサの付いた熱源板を試験片との温度差が正確に10.0℃(ΔT=10℃)となるように加熱する。
※熱源板は30.0℃に調節する。 - 30.0℃の熱源板を速やかに試験片に乗せる。
温度センサ及び電子アンプによって熱源板の温度低下を検出し、熱流束に換算する。
※熱流束は熱移動を微分変換および一時遅れ要素フィルタを通すことで得られ、この熱流束の最大値をqmaxと定義する。
図 温度変化と熱流束のイメージ
結果
qmaxについて5回の平均値を求める。
試験結果例
生地 | 試験結果例 | 一般的な目安 |
織物 | 表側 0.086 裏側 0.112 | qmaxが0.100以上(接触冷感性) |
編物 |