複数の生地を樹脂で貼り合わせて一枚の生地状にした接着布(ボンディング生地などともいう)は、接着強度が弱い部分から剥がれ、生地に凹凸(ぶくつき)ができてしまいます。接着布には表地に使用できるような生地同士を貼り合わせたもののほか、シャツの衿裏に使われている芯地なども含まれます。
剥離強さ試験は接着布のボンディング部分を剥離するときの強度を測定します。織物、編物、レース、不織布などを接着して作られた接着布に適用します。合成皮革などのように非常に薄く弱い膜を貼ったものや、接結された生地(表生地と裏生地を糸で引掛けて固定しているもの)は剥離強さ試験の対象外です。
目的・概要
接着布の接着部分を一部剥がし、剥がした表側生地と裏側生地を機械でそれぞれ掴みます。接着部分を一定の速さで剥がしていき、剥がれるときの強さを記録していきます。
※接結などのように糸で複数の生地が留められているものや合成皮革は剥離強さ試験の対象外となります。
JIS L 1086
試験片
タテ方向150mm×25mmの試験片×5枚以上
ヨコ方向25mm×150mmの試験片×5枚以上
試験
1.試験片の長辺方向に一端から50mmを剥離する。
2.剥離した試験片の片方の生地を試験機の上部クランプ、他方の生地を下部クランプでつかむ。
3.試験片の接着部分を50mmの長さ剥離し、その時の荷重を連続的に記録する。
4.剥離時の極大値(上側に凸の波形の最大部分)のうち、大きいものから3個と小さいものから3個を選び、試験布1枚当たり6個の平均値を求める。
タテ方向、ヨコ方向にそれぞれ5枚の試験片について操作を繰り返す。
結果
タテ方向、ヨコ方向それぞれ5回の平均値を算出する。
試験結果例
生地 | 試験結果例 | 一般的な目安 |
織物 | 537cN | 400~700cN以上 |
編物 | ||
その他 |