目的・概要
消臭性は生地が周囲の臭気成分を吸着または分解することで濃度を下げ、臭いを低減する機能です。SEKマークでは10種類の臭気成分から選択して消臭性能を評価します。また、臭気成分を汗臭、加齢臭などのカテゴリーに分類して評価することもできます。
表1 臭気カテゴリーと対象臭気成分
臭気成分 | 汗臭 | 加齢臭 | 排せつ臭 | タバコ臭 | 生ごみ臭 | アンモニア |
アンモニア | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
酢酸 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ||
イソ吉草酸 | ◯ | ◯ | ||||
ノネナール | ◯ | |||||
メチルメルカプタン | ◯ | ◯ | ||||
硫化水素 | ◯ | ◯ | ◯ | |||
インドール | ◯ | |||||
アセトアルデヒド | ◯ | |||||
ピリジン | ◯ | |||||
トリメチルアミン | ◯ |
※SEKマーク繊維製品認証基準から抜粋。
SEKマーク繊維製品認証基準
試験片
試験片の必要な分量は下表のとおり。
表2 試験片の分量
検知管法 | ガスクロマトグラフ法 | 官能試験 | ||
試験片 サイズ | 生地・ テープ類 | 100cm2 (1g以上) | 50cm2 (0.5g以上) | 50mm×200mm (1g以上) |
糸類 | 1.0g | 0.5g | 1g | |
わた類 | 2.4g | 1.2g | 2.4g | |
試験片枚数 | 3枚 | 3枚 | 1枚 |
試験
[検知管法/ガスクロマトグラフ法]
生地と臭気成分を袋またはフラスコに入れ、密封した状態で2時間放置する。
臭気成分ごとに指定の検知管またはガスクロマトグラフで臭気成分の濃度を測定する。
臭気成分ごとに3枚の試験片でそれぞれ測定する。
[官能試験]
生地と臭気成分をフラスコに入れ、密封した状態で2時間放置する。
試験後のフラスコ内の臭気および試験片への着臭を判定臭気(臭気強度2.0相当)と比較し、スメラー(被験者)が判定する。
(6名中5名以上のスメラーがフラスコ内の臭気および試験片の着臭の両方とも、判定臭気強度と同等か同等以下であると判定されることが必要である。)
結果
表3中の計算方法によって臭気成分減少率を求める。
表3 臭気成分減少率の算出方法および臭気成分減少率基準
試験方法 | 臭気成分減少率の 算出方法 | 臭気成分 | 基準値 臭気成分減少率(%) | |
官能併用 | 機器単独 | |||
検知管法 | 臭気減少率(%)=(Sb-Sm) / Sb×100 Sb:空試験の平均値 Sm:測定の平均値 | アンモニア 酢酸 メチルメルカプタン 硫化水素 アセトアルデヒド ピリジン トリメチルアミン | 70%以上 - 70%以上 70%以上 70%以上 70%以上 70%以上 | 80%以上 70%以上 - - - - - |
ガスクロ マトグラフ 法 | 臭気減少率(%)=(Sb-Sm) / Sb×100 Sb:空試験ピーク面積の平均値 Sm:試験試料ピーク面積の平均値 | イソ吉草酸 ノネナール インドール | 85%以上 75%以上 70%以上 | 95%以上 90%以上 - |
※SEKマーク繊維製品認証基準から抜粋。
試験結果例
試験結果例 | 一般的な目安 | |
生地 | アンモニア 84% 酢酸 95% イソ吉草酸 92% | SEKマーク繊維製品認証基準に準じる(表3を参照) |