機能性 Test service 04

帯電性試験

  • 一般衣料品

冬になるとパチパチする静電気。体に服が貼りついたり、痛かったりと厄介者ですね。服で発生する静電気を評価するのが帯電性という試験です。帯電性試験では主に繊維がこすれて発生する静電気の量や、発生した静電気が放電されて減少する時間を測定します。

静電気が少ないことで衣服のまとわりつきのほか、ホコリなどの付着も少なくなります。

JIS L 1094 A法(半減期測定法)

目的・概要

A法(半減期測定法)では生地に帯電した静電気の電圧が半分に減衰するまでの時間を測定します。

生地に一定量の耐電圧を与えた状態から耐電圧が半分になるまでの時間を計測します。この時間が短いほど溜まった電気が早く減少しやすい生地といえます。

一般的にはJIS L 1094 B法(摩擦帯電圧測定法)と組み合わせて評価することが多いです。

試験片

約45mm×45mmの試験片を5枚採取する。

試験

  1. 20℃、40%RHの試験室内で試験片の水分量を調整する。
  2. 除電した試験片を、表面を上にして半減期測定機に取り付ける。
  3. 試験片を固定したターンテーブルに10kVの印加(電圧を加えること)を30秒間行った後、印加を停止する。
  4. 帯電圧が初期帯電圧の1/2に減衰するまでの時間を測定する。
  5. 5回の試験を繰り返す。

結果

試験片5枚の平均値を求める。

試験結果例

生地試験結果例一般的な目安
織物8.7秒10秒以下かつ、摩擦帯電圧(※)が2000V以下
または
30秒以下かつ、摩擦帯電圧(※)が1500V以下
編物

※JIS L 1094 B法(摩擦帯電圧測定法)による。


JIS L 1094 B法(摩擦帯電圧測定法)

目的・概要

B法(摩擦帯電圧測定法)では生地を摩擦したときの生地の帯電圧の大きさを測定し、評価します。

試験布を綿や毛の布とそれぞれ摩擦し、所定時間の摩擦後に帯びた帯電圧を測定します。摩擦帯電圧が小さいほど、静電気が発生しにくい素材といえます。

一般的にはJIS L 1094 A法(半減期測定法)と組み合わせて評価することが多いです。

試験片

約50mm×80mmの試験片をタテ方向、ヨコ方向にそれぞれ10枚採取する。

試験

  1. 20℃、40%RHの試験室内で試験片の水分量を調整する。
  2. 徐電装置で除電した摩擦布(毛標準布または綿標準布)を、摩擦帯電圧測定機に取り付ける。
  3. 徐電装置で除電した試験片を、表面を外側にして測定機に取り付ける。
  4. 摩擦布上を試験片で摩擦し、摩擦開始から60秒後の帯電圧(V)を測定する。
  5. 摩擦布ごとに、タテ方向およびヨコ方向にそれぞれ5回の試験を繰り返す。

結果

摩擦布ごとに、タテ方向およびヨコ方向それぞれ試験片5枚の平均値を求める。

試験結果例

生地試験結果例一般的な目安
織物毛摩擦布 タテ 2500V
     ヨコ 1100V
綿摩擦布 タテ 1400V
     ヨコ 840V
2000V以下かつ、半減期(※)が10秒以下
または
1500V以下かつ、半減期(※)が30秒以下
編物

※JIS L 1094 A法(半減期測定法)による。