概要
プレス処理による寸法変化率は生地などをプレス機でプレスし、乾燥後に寸法変化の程度を百分率(%)で表したものです。
試験片
約250mm×250mmの試験片を3枚採取する。
試験片の中央にタテヨコそれぞれ200mm間隔の印をつける。
試験
試験方法 | 概略 |
H-1法 | プレス機の上ごてを所定の温度*に上げる。下ごてに広げた試験片に圧力をかけて20秒間プレスした後、上ごてを上げて20秒間吸引する。 |
H-2法 | 下ごてに広げた試験片から20mmの位置まで上ごてを降ろす。上ごてから蒸気を15秒間ふかした後、上ごてを上げて15秒間吸引する。 |
H-3法 | プレス機の上ごてを所定の温度*に上げ、下ごてに広げた試験片から20mmの位置まで上ごてを降ろして蒸気を20秒間ふかす。圧力をかけて20秒間プレスした後、上ごてを上げて20秒間吸引する。 |
上表の条件で試験片をプレスする。 試験片を平干しし、残った水分を一定量まで蒸発させる。
*所定の温度とは
素材によりプレス処理をする温度が異なってきます。
素材名 | 設定温度 ℃ |
綿,麻 | 180 |
毛,ポリノジック,レーヨン,キュプラ | 160 |
ポリエステル(PET,PTT,PBT),ビニロン | 140 |
絹,アセテート,トリアセテート,ナイロン,アクリル | 120 |
モダクリル,ポリクラール,ポリウレタン,プロミックス,ポリ乳酸 | 100 |
結果
試験片1枚当たりタテ方向3か所、ヨコ方向3か所の印間の長さを測る。
処理前後の印間の長さの平均値から、タテ方向およびヨコ方向それぞれの寸法変化率を算出する。
寸法変化率(%)= \(\displaystyle\frac{ (処理後の長さ)-(処理前の長さ)}{ (処理前の長さ)}\)×100
※寸法変化率のプラス(+)は伸び、マイナス(-)は縮みを表す。
試験結果例
生地 | 試験結果例 | 一般的な目安 |
織物 | タテ -1.1% ヨコ -2.8% | -3.0%~+3.0% |
編物 |