白い服を着て黒いカバンを肩にかけていたら白い服が黒く汚れたというようなことはありませんか?染色された生地は摩擦によって薄い色の生地に色移りしてしまうことがあります。生地の色が濃いほど注意が必要です。
目的・概要
摩擦に対する染色堅牢度試験は試験布と白布(乾燥状態と湿潤状態のもの)を100往復摩擦させます。その後白布への汚染の程度をグレースケールで等級判定し評価します。
試験片
Ⅰ形法 140mm×50mmの試験片×2枚
Ⅱ形法 220mm×30mmの試験片×2枚
※柄物やプリント生地などの場合は一番濃い部分を摩擦します。
条件
- 摩擦試験にはⅠ形(クロックメータ)法とⅡ形(学振)法があります。
- 摩擦試験には乾燥試験と湿潤試験の2つがあります。
- 乾燥試験はそのままの状態の綿布を、湿潤試験は水で濡らした綿布を、摩擦子(動いて試験片を摩擦する部分)に取り付けて試験片を摩擦します。湿潤試験の方が乾燥試験よりも汚染がはっきりとみられることが多いです。
- 試験片はあらかじめ温度20℃±2℃、相対湿度65±4%(標準状態)で4時間放置します。
方法
・Ⅰ形法
①水平な試験片台に試験片を取り付け、摩擦子に綿布を取り付ける
②9N±0.2Nの荷重で試験片10mmの間を10秒間に10往復摩擦する。
・Ⅱ形法
①かまぼこ形の試験台に試験片を取り付け、摩擦子に綿布を取り付ける
②2Nの荷重で試験片の中央部100mmの間を毎分30回往復の速さで100回往復摩擦する。
結果
汚染用グレースケールで試験後片を比較し、汚染の程度を級数で判定する。
試験結果例 | 一般的な目安 | |
乾燥 | 3-4級 | 4級以上または3-4級以上 |