保管していた衣類の白い部分に濃い色が色移りしていたことはありませんか?
白い部分と濃い色の部分が密着した状態で高温多湿の場所に保管されていると昇華という現象が起こることがあります。
昇華とは高温の環境下により染料が繊維表面上に浮き出てしまい他の生地に色が移ってしまうことです。主に分散染料を使用して染めたポリエステル繊維で発生します。
輸送中や倉庫での保管などは高温になりやすく、昇華による色移りが発生することがあります。
繊維製品は着用洗濯や保管などの様々な原因によって色が変わってしまったり、他のものに色移りしてしまうことがあります。
試験の目的・概要
昇華試験は、試験片と白布を密着させて高温の環境で放置します。一定時間放置後に試験片を取り出し、生地の変色と白布への色移りの程度をグレースケールで等級判定し評価します。
試験片
・60mm×60mmの試験片×1枚
試験片を添付白布と一緒に縫い合わせて複合試験片にする
(柄物やプリント生地などは色ごとに試験を行うため試料はさらに大きなものが必要)
方法
- 複合試験片を汗試験機に取り付ける
- 汗試験機におもりを載せ圧力を加えた状態で固定する
- 120±2℃の乾燥機に入れ80分間乾熱処理する
- 処理後、複合試験片を取り出し冷ます
結果
汚染した添付白布を汚染用グレースケールと比較して級数を判定する
試験片自体は変退色用グレースケールと比較して級数を判定する
試験結果例
昇華 | 試験結果例 | 一般的な目安 |
変退色 | 4-5級 4級 | 4級以上 3級以上 |
汚染 |