目的・概要
「吸水」という単語は日常生活でも衣料品やタオルなど生活の中でもなじみ深い言葉ではないでしょうか。吸水性は字の通り水を吸う性能のことです。吸水性といってもアイテムによって、求められる性能には違いがあるため、いくつかの試験方法があります。
繊維製品では主に衣料品の吸水性を評価する滴下法と、主にタオルの吸水性を評価する沈降法が幅広く使用されています。
JIS L 1907 滴下法
かいた汗等の水分を糸や繊維の中にすばやく吸収することで肌がベタつかずさらっと保つことができます。吸水性試験の滴下法は生地の表面に水滴が付いたときの生地が吸水する早さを測定します。
主に織物や編物でできた衣料品の、吸水または吸汗しやすいといった機能性を表示する場合に試験します。また、生地中の水分が早く乾きやすい性能である速乾性と組み合わせて吸水速乾と謳われることもあります。
試験片
約200mm×200mmの試験片×5枚
試験
1.試験片にしわなどが生じないように保持枠に取り付ける。
2.試験片の面から10mmの高さから水を1滴、滴下する。
3.水滴が生地に付着した時点から、生地が水滴を吸って鏡面反射がなくなるまでの時間(秒)を測定する。
4.5回の試験を繰り返す。
結果
吸水時間について5回の平均値を求める。
試験結果例
生地 | 試験結果例 | 一般的な目安 |
織物 | 表側 3秒 裏側 5秒 | 10秒以下 |
編物 |
※60秒以上経過しても吸水されない試験片が1枚以上ある場合は、試験結果は「60秒以上」となる。
JIS L 1907 沈降法
沈降法は主にタオルの吸水性を評価する試験です。生地を水面に置き、生地が水を吸って完全に沈むまでの時間を測定します。
試験片
約10mm×10mmの試験片×4枚
試験
試験片の試験面を下にして、水を張った水浴中に静かに浮かべる。
試験片が湿潤し、水中に沈降するまでの時間を測定する。
※試験片60秒以上沈降しない場合は沈降しないものとする。
3回の試験を繰り返す。
結果
吸水時間について3回の平均値を求める。
試験結果例
生地 | 試験結果例 | 一般的な目安 |
織物 | 表側 3秒 裏側 5秒 | 10秒以内 |
編物 |
※60秒以上経過しても吸水されない試験片が1枚以上ある場合は、試験結果は「60秒以上」となります。